一匹のダメ男でも誰かの役にたてたら良い日記

足のニオイが人一倍臭いダメ男が「こんな僕でも一万人に一人にぐらい役にたてたら」と思いながら書く日記

【小学3年生】僕の青春『10チェンおじさん』

商売って難しいですよね。未だに全然理解出来てない……。

昔、僕が子供の時に『お金を稼ぐ事』『商売の難しさ』を初めて知ったって言う青春の話。

・10チェンおじさん

小学三年生の時。

僕達は『10チェン』と言う遊びにハマってた。


事の始まりは


「なあ、10チェンおじさんって知ってる?」


ていう、友達の一言から始まった。


最初は「なにそれ?怖い」と思いました


友達の話は

■自転車こいでたら川原に1人で空き缶のゴミ掃除をしてるおじさんがいた。

■暇だった友達は「手伝いますよ?」と声をかけたが、無視された

■しかし、優しい友達は手伝った。後々知る事になるけど、おじさんは無視したのじゃなく無口だった

■空き缶を一ヶ所に集めて、掃除が終わると「10チェン(ジュッチェン)」と言い、おじさんは10円くれた


という事があったらしい。

友達は

「これは稼げる!」

と思い、家にある空き缶をビニール袋に入れて、何度かおじさんの所に行った。


そして何度も『10チェン』を貰ったと言う。


僕達は興味が出た。


少ない小遣いの僕達からしたら、例え10円でも『頻繁に貰う事が出来る』『お金を作る事が出来る』なんて凄い事だ!

早速、行く事になった!

そこで友達は言う。


「10チェンおじさんには謎がある」

と。


その謎とは、『空き缶が何個から10円になるのか解らない』との事。


友達の話では、空き缶を10個程持って行って10円だったが
5個程の時も10円だったらしい。


「まぁとりあえず、近所のスーパーとか自販機で集めて行ってみよう」


僕達3人の青春が今始まった!!

僕達は子供の力で周りを気にせずゴミ箱を漁った!

3人で20個ぐらい空き缶を集めた。

友達の教訓によると、それを一つにまとめるてしまうと10チェンの可能性がある。


なので3当分に分けて、3人で30円を貰う作戦に出た!


そして、初めて10チェンおじさんに会った。


友達の話通り無口な人。


「こんにちわー」と挨拶しても
「………。」と黙ったままコクリと頷くだけ。

僕達は本題であるビニール袋に入れた空き缶を渡した。


すると古そうなガマぐち財布から10円を取りだし


「10チェン」


と言い、くれた。3人とも10チェン貰った。

噂は本当だった!

それから何度か、繰り返し10チェンを貰いに行った!

「この事は3人だけの秘密なー!」

と、僕達は仲間意識が強まった。


この作業の事を僕達は『10チェン』と名付けた。


秘密の暗号のようなものでもあった。


たまに、ゴミ箱を漁って、向かうと10チェンおじさんがいない時もあった。

そんな時は

『10チェン広場』と名付けた秘密基地(小さな林)に貯めていった。


そこから数個持って行き『10チェンゲット』

ゴミ箱を漁って『10チェン広場へGO』を繰り返した。


数週間は繰り返した。


僕達が10円の事を10チェンと呼ぶ事が当たり前になった時、疑問が生まれた!


「100チェンは可能なのか?」

と。

会議が始まった

子供ながらに、真剣に話し合った!

「今、僕達は週に3回程、活動している」


「しかし、10チェンおじさんに持っていく空き缶は一部なので、空き缶が溜まってきている」


「そろそろ10チェンの壁を越えれるのではないだろうか?100チェン欲しい」


僕達は1人100チェン分、合わせて300チェンの空き缶を溜めて、まとめて持っていく事に決まった。


僕達は言わば『10チェンのプロ』
大体の目安はわかってる!やるぞ!!

僕達の青春!

漁りに漁った。
近所の空き缶がありそうな所を!

スーパーの店員さんに少し怒られた事もあった。だけど悪いことをしてる意識がなかったので、気にせず漁った。


それはそれで楽しかった!



そして、僕達は決戦の時を迎えた!!


移動手段は自転車。それはもう大変でした。
大きなゴミ袋2つに無理やり入れたけど、まあ重い。

僕達の小さい体からしたら、まるで岩!


荷台にビニールひもでくくりつけた。


「100チェン貰ったら、ねりねりねるねを買うんだ」


初代ねりねりねるねの時代。
僕達は必死な思いで10チェンおじさんの元へ向かった。


おじさんいた!!


「おじさーん、これぇー!!」


と、推定300チェンはあるであろう空き缶を見せる。


コクリ、と頷くおじさん。


ワクワクする僕達。


なんせ、推定300チェン。持ってくるのも頑張った!


(さあ、なんチェンだ?)ワクワク。


おじさんはガマぐち財布からお金を出して言った。


「20チェン(ニジュッチェン)」


え?となる僕。


「あの、、これ、300チェン…」


と聞く友達。


「20チェン」


と言うおじさん。


それ以上何も言うことも出来ずに、僕達は帰った。

・10チェンおじさんが伝えたかった事

帰り、不信感が芽生えながら僕達は語った。

テーマは『なんで?ねえ、あれなんで20チェン?』

僕達は今までの事がアホらしくなった。


丁度、10チェン広場の空き缶も無くなった。


「もうやめよう…」


決断するのは早かった。こうして僕達の青春時代は幕を閉じた。


おじさんは多分、僕達の事を思って20チェンにしたのだ。


僕達は、クセになっていたから。


10チェンを貰える事、ゴミをお金に変える事を。


『人は弱い生き物。すぐクセになる。』




10チェンおじさんは、きっとそれを見抜いたいたのだ。


商売の難しさを知った、僕の青春の1ページ!

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